13日(日)
早稲田松竹で、二度目の『脳内ニューヨーク』。
どこまで続くのか分からない、という冗長さを感じることはあったが、
改めてすごい映画だと思った。時間の進み方と、1カットとの関係がまず普通じゃない。
「映画(写真)とは一瞬にして対象すべてが与えられる(表象される)ものだから、
人が認識として自然だと思う時間の進み方とはこっちなんだ」と言われているような。
「どこまで続くのか分からない」という冗長さも、面白くない映画から
受ける一般的な冗長さというより、自分の人生に対するそれに近いものだ。
カップリングされてた「かいじゅうたちのいるところ」は酷かった。
あんな体で、普通の人間の声のトーンそのままなはずが無い。
スパイク・ジョーンズは完全に「絵」の人で、物語の人ではないんだなと思った。
夜はDVDで「サンシャイン・クリーニング」を観た。
思っていたよりもずっと質の高い面白い映画だった。
笑えるシーンもたくさんあるし、ストーリー上の抑制のセンスが成熟してる感じがした。
(たとえば片腕の男と主人公の姉がラストで付き合ったりしないところとか)
人が生きていくために必要な「承認」についての映画でもある。
「人を見返す」ということと「承認される」ということは
混同しがちだけど全く別のことだ、という第3幕だと思った。
斉藤環の『家族の痕跡』(ちくま文庫)を読んでるせいもあるけど。