12日(土)
「ブロークバック・マウンテン」
アン・リーの映画が好きなのに、たぶん話題になりすぎたというのもあって
なんとなく観ていなかった。すばらしかった。
いままで敬遠していたのは、大自然、男二人っていうポスターのイメージが
濃密すぎて世界が狭くみえたからだと思う。「もう、分かったよ」っていう。
でもこの映画は、彼らを取り巻く女性たちや家族たちがみな普通で、魅力的で、
主人公二人の関係性を見せるための「役割」を演じてるわけじゃなくて自分の人生を生きてる。
だからこそ二人はだんだん引き裂かれる。
自分たち二人だけで世界が成り立っているわけではないことに苦しむ。
人がただの人に見えることこそ大事だということをまた思い出した。
エンドロールでヒース・レジャーだったことを知り、「ダークナイト」でも思ったけど、
こんなに言葉に重みがある俳優が若くして亡くなってしまったことが悲しかった。