13日





 言葉にならない感情のエネルギーが私たちのなかで渦巻いて溜まってきている。今すぐ役に立つ情報以外は引っ込んでろ!みたいなメディア上の圧力のなかでも、少しずつ自分の感情を自覚し、出していったほうがいいように思う。ネット上で書くと叩かれそうなことは、家族や友達にまず話したらいい。不謹慎なことだって、笑えるなら話したほうがいい。ユーモアが日常を取り戻す。ネット上でユーモアが通用しないのは、笑いがきわめて身体的なものだからで、でも本当は情報よりも身体的なもののリアリティこそが、日常を支えている。身体的なもののリアリティが失われていくことを何よりも回避したい。結局いちばんの支えは、この国で暮らす全ての人の体調と、倫理であり、体調も倫理もそれまでのその人の日常や仕事からしか出てこない。いまは非常事態だけど、倫理は非常事態に突然胚胎するものではありえない。倫理とはその人の身体なのだ。