12日



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 私にとって重要なのは、撮影された肉体が、つけ足しの光によってではなく、その本来の光線によって私に触れにやって来る、という確かな事実なのである。(それゆえ、いかに色あせていようと、「温室の写真」は、私にとって、その日、少女だった母から、その髪から、肌から、衣服から、まなざしから、発せられていた光線の宝庫なのである。)
 (ロラン・バルト『明るい部屋』花輪光訳、みすず書房
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 好きな一節。眼に見えるすべてのものは光っている。あなたもわたしも光っている。
 あたりまえだけど、光っているのは光源だけではない。