17日/18日


 さあ目の前で開いて見せて
 淋しげなトカゲをいじって
 うれしそうな音が聞こえるね
 「脈脈」ほら 「脈脈」とほら
 白い肌 青く浮く血管
 赤くなって腫れあがったハイウェイ
 「真実なんてロープじゃ縛れない
 痛みが好き ウソつかないの」
 おかしい娘 おかしい娘 おかしい娘
 感動の瞬間だよ GIRLIE
 FEEL SO GOOD?
 (「GIRLIETHE YELLOW MONKEY
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     「やあ、イザベル!」ウィリアムは眼をみはった。彼女は実に美しく見えるので、
     何か言わなければならない気がした。「とても涼しそうに見えるね」
     「そうかしら?」とイザベルは言って、「わたしはそんなに涼しくないのよ。さあ、
     いらっしゃい、あのおんぼろ汽車は遅れたのよ。タクシーが外に待ってるわ」
     (マンスフィールド「新時代風の妻」安藤一郎訳)
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 ボードリヤールによれば、現代の消費社会におけるシミュラークル状況は本来の純粋な個人や社会を汚染する
 悪魔などではないし、それを祓い除ければ本来の純粋な自己が回復されるわけでもない。
 むしろシミュラークル状況の反動として本来性が生み出されているのであって、本来性とはシミュラークル
 産物あるいはそれ自体が一種のシミュラークルなのである。シミュラークルに対して本来性の回復や構築を
 主張する言説は、むしろシミュラークルのシステムと神話を補完してしまう。ボードリヤール福祉国家による
 再分配やセーフティネット論、あるいは市場による調整論を批判するのはそのためである。
 (『現代思想入門』 PART3 「ポスト構造主義」)