23日


 池袋東口のスタバで昨日まで展示されていたagoeraという人の絵が良かった。
 http://agoera.org/portfolio/
 ホッパーをかなり優しく甘くしたような、湿度を高くしたような。朱色のきれいさはムンクの風景画みたいだった。
 かたや全然違うようだけど、2年前にswitch pointで見た井上文香さんの絵のことも思い出した。
 http://www.switch-point.com/2009/0913fumika.html
 写真や映像は、撮られたものたちの発する光が(過去の時間のなかで保存されたまま)観るものの眼に直線的に入ってくる感じがするけど、こうした筆跡が残った絵は、描かれている対象どうしがその時その場で光を反射しあって、つまり解凍されるんじゃなくて「そこ」で生まれていて、それを経てこちらにやってくる、光が間接的に、こぼれてくる感じがする。その感じをつかめたときが気持ちいい。
 光るディスプレイの上では絵の「光」は生成しない。でもいつか、(外部の光によって光るような)光らなくても美しく見えるディスプレイが出てきたら、絵の「光」がディスプレイ上に現れるのかもしれない。