18日




 暇(そう)な人間にしか猫は存在しないのでは、と彼らの視線を受けて思う。
 なにかを期待しつつ、同時に警戒する、という猫の表情は本当にすてきです。
 午後タリーズで本を読んでいたら、大声を上げながら他の客の間を徘徊する男の子がいて、
 母親がしきりに注意してたけど、問題なのは「他の人の迷惑になるから」じゃなくて、
 「どんな人がいるか分からない公共の場所では、自分の好きなように無防備に行動するのが危険だから」だ。
 訳分からない人に恫喝される、というショッキングな体験が彼には必要で(それを買って出るのは面倒だけど)、
 そのトラウマ的な体験があってはじめて、「不慮の事故」に遭う確率も減る。
 不慮の事故は「慮」を積み上げる過程によってしか避けられない。
 なにかを期待しつつ、同時に警戒する姿勢が、猫の可愛さの核で、生き物としての成熟のポーズ(一時停止)だ。
 と、特に猫好きでもないのに盆のぼんやりした頭で思った。天気が不安定で、うすぐらく、蒸し暑い日。